臨床は楽しい
若い頃義歯はどちらかというと苦手な分野でした。歯の欠損があれば第一選択はブリッジでお決まりです。ブリッジが設計上厳しい場合に義歯の選択をしていました。今はインプラントがありますので選択の幅は広がりました。
ブリッジは欠損歯の両側の歯を削る処置が必要で、歯の大切なエナメル質を失うという大きなデメリットがあります。インプラントは歯を削るという処置がなくこの点はすばらしいことです。ただ高価なこととインプラント植立の上部構造物が対合歯にダメージを与えやすいということがあります。
義歯は取り外しが必要なこと、食べ物が義歯の裏面に入りやすいこと、年をとったように見えることなど一般的にネガティブに捉われがちです。そうでしょうか?義歯では咬めないからインプラントにするとも聞きます。これまたそうでしょうか?違います!我々歯科医療サイドが全うな義歯を提供できていないことが多いのです。
義歯は可逆的な処置になり、具合が悪い場合は元の状態に戻すことが出来ます。これは大きいです。また設計が多様でその方のお口の状態、経済的なことなどを鑑みた設計が可能です。建物の建築と同様で、すごく多様な設計がありこれが楽しいです。バッチリ義歯がはまったとき患者さんは喜んでくれます。見た目も義歯を装着しているとは見えません。こちらもそれを見てうれしいです。義歯はいろいろな設計があり、いろいろなテクニックを駆使しますので実に楽しいです。お試しあれです。