歯科修復物の不具合は誰が診るのか
一般的に考えて見ましょう。モノは使い出した瞬間から劣化していきます。そのためマイホームも自動車も各種電化製品も同様なことになります。経年的によくなることはありません。良い状態で維持していくには的確なフォローが必要で、そのためにはお金と手間がかかります。
口腔内に装着する歯科修復物も生体ではなくモノの一種です。このモノを少しでも長く良好な状態で維持していくには的確なフォローがやはり必要です。特に口腔内全体を修復したようなケースではなおさらです。サイボーグのようなことになりますので、元の状態への回帰再現不可になります。使っているご本人も「これでいいのか」わからないように、元の状態を知らない当該処置を施していない歯科医師にとっても「これでいいのか」分かりません。やはり、歯科修復物を装着した歯科医師にフォローをしてもらうべきです。
他医院で歯科修復物を装着された新患の方から、「治療後、口の具合が悪い」と言われることがあります。当方で装着したものなら責任がありますのでフォローします。ただ他医院で装着後、調子が悪い場合や、装着物が早期脱離や不具合を生じている場合、転勤などで住所変更しているケース以外は、第一義的には装着した医院で相談するべきです。特に自由診療で結構な費用を使っているケースはなおさらです。
歯科において特に大掛かりな歯科修復物を少しでもいい状態を長く保つには、装着した医院でメンテナンスのフォローを続けることが重要です。購入した自動車の具合が悪いとディーラーにまず相談すると思います。それと同様です。それでも解決の出来ないときは他の医院でセカンドオピニオンを希望して診てもらうこともありです。