歯科医療における高価な医療機器

保険診療は日本が世界に誇れるシステムであることは疑問の余地もありません。比較的安価で高度な医療を受けられるというありがたいシステムです。医療の進歩の著しい中で先進医療が保健収載されたりして医療受診者サイドではいいことです。

医科では十分な恩恵を保険診療で受けていると思います。歯科に目を向けますとどうでしょうか？医療ＤＸの最新機器が保健収載されたりしてきています。それはそれで受診者サイドではいいでしょう。ただ歯科医療は最後には術者である歯科医師の腕が決め手になります。いくら最新機器を用いた検査で分かったところで、それを生かすのは歯科医師の技量です。歯科医師の経験や知識や技術などがないと「絵に描いた餅」にしかなりません。

例えば今使っている義歯の情報を光学印象してそのデータをデジタル化して保存して、いざというときにレーザープリンターで保存していたデータを基に元の義歯を作製するとします。当然ですがデータ保存している間に口は経年的に変化していっています。元の義歯といったところで合いにくくなっています。これを生かすように義歯調整するのはデジタル機器ではなく人である歯科医師です。

マイクロスコープ、歯科医療用デジタルＣＴなど高価な最新の医療機器を備えていないと、十分な歯科医療を受けられないというような風潮が一部に見られます。確かにあることに越したことはありません。「備えあれば憂いなし」でしょうか。ただ「絵に描いた餅」にならないようにするのは歯科医師です。高価な医療機器があれば「良い」歯科医院でなければ「良くない」歯科医院であるというような、短絡的な発想を抱くことは止めてください。

熟練の人の技を器械は越えられません。

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