金属床義歯の修理は?
義歯の臨床では大きく分けて保険義歯と自費義歯があります。保険義歯はレジンという材料で作製します。他方、自費義歯の中でレジンに代わる部分に金属を使う金属床義歯があります。この金属床義歯の利点は維持装置と床部分が一体化されていることです。また床部分が強度の強い金属ですので、破損の心配がありません。上手に使い定期的な歯科医師の管理があれば、保険義歯のレジン床よりは長く使えます。
ただやはり金属床義歯を作製後ある期間が過ぎますと、義歯本体や口腔内の経年的な劣化は避けては通れません。やはり残存歯に負荷がかかり弱り、カリエス・歯周病が進んだりしてきます。最悪の場合、義歯作製時と口腔内環境が変化してしまいます。このとき金属床義歯の修正をします。
一度に3歯以上の複数歯を失うとかなり修正が厳しくなりますが、1~2本までなら増歯という方法で人工歯を義歯に加えることができます。クラスプという金属維持装置が壊れたりした場合もレーザー溶接技術の進歩で新しくすることも可能です。人工歯が磨耗して顎位が低位咬合になる場合も、やはり顎位を挙上して人工歯を置き換えることが出来ます。いずれも少し費用はかかりますが、義歯を新しくする場合に比較して、負担金額はかなり安くなります。修理の見積もりをお聞きになり、判断すればいいと思います。
金属床義歯は修理が出来ないというのは間違いです。定期的な歯科医院での管理下でしたら、かなりいい具合を保てますし、必要なときには金属床義歯のリノベーションも出来ます。金属床義歯は利点が多いですので、是非使っていただければと思います。