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人生100年時代と歯科
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生命保険のCMに人生100年時代をうたっているものが登場です。日本人の平均寿命が80歳を越え、100歳まで存命な方も加速度的に増えることが想像されます。寿命が延びることはいいことですが、ただ自立できず介護に頼る年数だけが増えるようでは、平均寿命が延びても率直には喜べません。
健康寿命を延ばすこと。これが求められますが、健康寿命を延ばすことに有益なのが、かかりつけ歯科医を持つことです。信頼あるかかりつけ歯科医を持つことで、健康寿命が延びることが実証されています。
人生100年の中で健康寿命の延伸が欠かせませんが、万一自立できなくなり介護が必要になったとき、歯科はどう関わるか大きな問題です。8020運動の成果で今は80歳で20本歯がある方の割合が50%を越えました。確かに自らの歯で咀嚼することはいいことです。自ら口腔ケアを実践できれば、オーラルフレイルから全身のフレイル(虚弱)予防につながります。ただ歯が残っているということは自立していても歯科疾患に罹患する可能性が高くなります。ピンピンコロリは男性の約1割。女性ではピンピンコロリはほぼありません。これが現状です。歯が多く残った高齢者の方が要介護・寝たきりの状態になった時、歯科疾患(カリエス・歯周病)のリスクが限りなく高くなります。
これから歯が残っている高齢者の特に介護を要する高齢者のカリエス・歯周病の氾濫が予想されています。健康なうちに口腔のこれらの疾患の治療をすることは勿論です。その際、近い将来歯を残すことで広がるリスク回避も考えないといきません。何でもかんでも歯を残す必要はありません。人生100年時代「歯を残すことはいいことだ」という図式が当てはまらない現実を知っていただきたいと思います。自身の歯だけでなく人工歯根のインプラントにもこの現実は当てはまります。
第三者の方が高齢者の方のお口から取り出せる清掃可能な有床義歯という選択もあるのです。 |
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