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歯が壊れる
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主訴が歯痛なのですが、視診でもレントゲンでもどこにも異常像が出ないのに歯痛がある。そんな診断するのに苦労するケースが増えています。なぜ確定診断がしづらいのか?歯にカリエスのような実質欠損が無いからです。そしたらなぜ痛くなる?ですが、多くの場合、歯の表面のエナメル質の亀裂(クラック)が原因のことが多いです。
エナメル質の内側の象牙質には象牙細管という管が無数にありこの管が歯髄と連絡しています。エナメル質に亀裂(クラック)がありますと、亀裂(クラック)が深い場合象牙細管と交通し、亀裂(クラック)から象牙細管経由で口腔細菌や食事由来の化学物質などが侵入してきて歯髄を刺激。歯髄が生きている場合「歯の悲鳴」として歯痛を発します。歯髄が失活している場合は歯が浮いてきて咬合痛・打診痛が発生します。
亀裂(クラック)から縦に深いカリエスになることもあります。亀裂(クラック)により歯のある部分が一塊で脱落することもあります。ある日突然起こります。先日歯科医院を受診して何で分からなかったの?となり、不信感を抱くこともあるかもしれません。
これらの事象を「歯が壊れた」と最近よく表現します。現代のストレス社会の縮図が口腔内にも出現しているのかもしれません。歯を食いしばる、特に昼間に食いしばることをTCH(歯牙接触癖)といいますが、TCHや咬み癖、固いもの好きなどにより歯が少しずつ知らず知らずのうちに壊れていきます。
対策は?ですが、自己暗示で上下の歯を浮かすことです。1日24時間で上下の歯が接触するのは10分ほどのことです。上下の歯が当たっていないのが生理的には大切です。またそういう生活習慣があったと気付くことでかなり改善できます。歯を壊さないようにすることです。 |
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