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歯の老化
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歯は顎骨に植わった硬組織。特に歯冠部分の表層はエナメル質という硬い組織で覆われています。そのため一般的に歯は不老不死のように思われがちです。そうでしょうか?
人間の組織の中で一番硬い組織が歯のエナメル質。これで歯は万全の防御のようですが、歯も使えばやはり消耗します。固い物好き、偏側咬み(咬み癖)、上下歯接触癖(TCH)、酸性食品嗜好(TOOTH WEAR)、逆流性食道炎などによる胃酸の逆流などなどで、歯のエナメル質も顕微鏡的に侵食されたり破壊されたりしています。
歯も経年的に徐々に眼に見えぬ形で、弱っていきます。人間が年齢を重ねると皺が出てきたりするのと同様です。人間も10年前と今現在とでは頭髪も顔の皺も違うと思います。同じように歯も10年前と今では三次元的な位置関係も、形態も違います。同じであるということは無いのです。
人間の平均寿命が年々伸びていますが、歯の寿命は人間の寿命より短いのです。いかに歯が過酷な環境の中で日々がんばっているか推測できます。カリエス菌や歯周病菌による感染にさらされ、地震のようなブラキシズムの歯軋り、強い咬合圧がかかる咬み癖やクレンチングや上下歯接触癖(TCH)、嗜好食品の酸による侵食いろいろあるあるです。
老化と表現するのが適切かどうか分かりませんが、歯も経年的に変化していき、残念ながら弱っていくという事実を知ることが大切です。 |
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