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歯科技工
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最近は歯科医療において予防が注目されています。悪くなる前に手立てをする。すごく合理的です。予防は費用もかからずいい事尽くし。予防に越したことはありません。ただ歯を失ったり、カリエスなどで歯質の欠損を起こしたりしますと、補綴と呼ばれる処置が必要となります。
この補綴処置では歯科技工が必要となります。歯科技工は歯科医師も従事可能ですが、時間の関係で多くは歯科技工士と呼ばれる歯科技工のプロフェッショナルにお願いしています。歯科技工士は歯科医院に勤務しているケースもありますが、最近の傾向は歯科医院では歯科技工士を置かず、歯科技工所に外注していることが多いです。
歯科医師にとって歯科技工士はかけがえのないパートナーですが、歯科技工士を取り巻く環境が余りに劣悪で、離職していく若い技工士も多いと聞きます。これは補綴の主要部門の保険義歯や保険のクラウンの製作費が余りに安いことがあります。歯科技工がハードなのに収入が低いとやはりいけません。一時期話題になったワーキングプアです。これが今の日本の歯科技工の問題点です。日本の社会構造の問題で一般企業が海外進出していますが、歯科技工も同様で中国などに歯科技工を外注することが問題になったりもしています。
歯科技工士のハードワークを少しでも軽減しようと、コンピュータを歯科技工に取り入れる動きもあります。いわゆるデジタル化です。保険導入されたCAD/CAMレジン冠もその一つです。ただやはり歯科技工はアナログでデジタルやAI(人工知能)では対応できないところがあります。歯科関係では歯科衛生士はAIでなくなる職業に入れられていましたが、歯科技工士は入れられていませんでした。それだけ経験なども必要であるということで、やはり技能職です。歯科医院で装着する歯科技工物は多くは歯科技工士の手作業による作品であることをご理解ください。 |
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