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金属床義歯

欠損した歯を補う方法として歯科界で長い臨床経験があるのがいわゆる有床義歯(入れ歯)です。全ての歯を失ったときには全部床義歯(総入れ歯)や部分的に歯を失ったときには部分床義歯(部分入れ歯)があります。同じ義歯でも使用歯科材料で、いろいろな名称があります。その中で義歯の骨格部分や維持装置に金属を用い、かつそのパーツが一体化されているものを金属床義歯と呼びます。金属床義歯では使用金属により、チタン床、金床、コバルト・クロム床などがありますが、一般的にはコバルト・クロム床が多いです。
 
金属床義歯の特徴は義歯のかなりの部分を金属が占めており強度的に強いこと。歯にかけるクラスプと呼ばれる維持装置がバラバラにならず同じ方向性をキープして義歯(入れ歯)の着脱の際、クラスプをかけた歯を痛めにくいこと。上顎口蓋や下顎の舌の当たる部分の義歯床がレジンと比較して薄くでき装着感がいいことなど、数々のメリットがあります。
 
欠点といいますと、自由診療になり保険診療と比較すると高額になります。保険診療の費用が余りに安価であるため、比較すると高く感じるかもしれません。クオリティが高い金属床義歯で口腔機能を回復するか、安価な保険診療でするかは各人の価値観によるかもしれません。
金属床義歯では「いいものを長く使う」ということにこだわってほしいです。保険診療では義歯(入れ歯)は6か月ごとに新調可能ですが、保険診療の制約があり義歯(入れ歯)の調整に長くお付き合いできるものではありません。金属床義歯でも使えばある時期になりますと、不具合が生じ修正や修理が必要になります。この時一度に数本以上の歯がだめにならない限り、修理は容易にできることが多いです。修理できるように前もって設計していることもあります。
 
金属床義歯は数々のメリットをもたらしてくれる義歯です。決して贅沢品ではありません。歯を失われた方にとって修復機能回復方法として義歯を選択すれば、金属床義歯は多くの場合必需品だと理解していただきたいと思います。

番町歯科クリニック
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