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ファイバーポストは有効
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ファイバーは繊維や光ファイバー、繊維強化プラスチックなどのことを指します。歯科医療の分野でも、最近ファイバーポストが注目されています。
ポストというのは、歯髄が失活し歯冠がかなり崩壊した歯の根管(根の中)に根管充填後、歯冠修復物を被覆するために作る支台(支台歯形成)に必要なものです。歯の根の中にたてる支えの芯棒のことをポストといいます。このポストの素材としてファイバーが取り入れられてきたわけです。
ポスト素材では、手作り鋳造メタルで作製のポスト(メタルポストコア)や金属製の既製品ポストが従来のものでした。ファイバーポストはファイバー素材の既製品ポストを根管に接着し、これに光硬化型レジンを盛り付けて形態修正して支台とします。
ファイバーポストの利点です。まず金属製でないですので、金属アレルギーの心配がありません。同じく金属でないですので審美修復で威力発揮です。そして一番有効なのが、土台の歯の破折を防ぐ作用です。またファイバーポスト自体もしなやかで折れにくいという特性をもっています。
無髄歯(歯の歯髄が無い)の期間が長いと、歯も乾燥してきています。こんな歯の根管にポストを立てると、力の応力がポストの先端にかかりやすく、無髄歯は乾燥して弱くなりますので、バッサリ歯の長軸方向(根尖方向)に破折しやすいです。これが歯根破折です。
10年以上無髄の状態で経緯しているようなケースでは、歯根破折を起こしやすいです。いくらいい歯科修復物を装着していても、歯の根が折れれば(歯根破折)悲しいですが抜歯となります。この歯根破折のリスクを少しでも軽減するのがファイバーポストです。
ファイバーポストは金属アレルギー対策、審美修復に効果、歯根破折リスク軽減といいことばかりです。ただしです。現時点ですが、歯科の健康保険では認められた素材ではなく、自由診療での取り扱いとなります。この点ご了承お願いします。 |
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