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犬歯が大切
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犬歯、前歯に属し真ん中の中切歯から数えて3番目の歯。歯の並びである歯列では偶角部にあり、反対側の顎関節からの距離が通常一番遠い位置にあります。犬歯は通常、永久歯列での萌出順番は遅く、そのため低位唇側転位いわゆる八重歯になりやすいことで知られている歯です。
何が重要かといえば、犬歯が多くの場合顎の動きを制御しているからです。顎の動きの自由度は高く、いろいろな歯がそれぞれ顎の動きの規制をかけたりしますが、犬歯の影響が一番大きいです。そのため犬歯は歯根が長く、かなりの咬合圧にも耐えうる構造をしています。
犬歯を具合よく使い続けていますと、咬合小面(ファセット)が対合歯とで形成され、顎の動きも安定化します。犬歯の機能がうまくいっていないと、犬歯は咬合小面が形成されず、対合歯との関係も微妙で、安定した顎の動きが出来ない傾向になります。
このように、犬歯が重要であるため、犬歯は出来ればカリエスフリーで天然歯のままで、歯科で削りたくないものです。歯科でエナメル質などの歯質を削る歯冠修復や矯正治療による三次元的な位置移動や歯軸変化を犬歯に実施すれば、場合によれば、顎の運動に不安定化をもたらすこともあります。歯周病で犬歯を失うとますます大変なことになります。
ふらふらした顎の動きになれば、もとのように戻すのが大変難しくなったりします。出来れば歯列異常の犬歯の場合を除き、自然のままの犬歯で一生過ごしていただくのが理想です。 |
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