|
噛み過ぎにご注意
|
|
可能な限り歯を抜かずに保存するという治療方針は、番町歯科クリニックの診療基本方針です。歯を残すことにより、歯列の保存はもちろん、歯の周囲の顎の骨の保存も可能にします。すごくいいことですが落とし穴もあります。それは保存した歯が壊れること。多くは歯根破折です。
カリエスなどで歯冠崩壊したような歯は、歯髄(歯のシンケイ)も多くは失活していて、歯自体脆弱になっています。このような歯に根管処置(歯の根の治療)を実施し、保存可能と判断すると、歯冠修復ということになります。根管充填を終えた歯根に維持を求め支台築造ののち、歯冠修復という手順です。金冠などの修復物が入ると、これでやれやれ患者さんも元のような歯になったということで、安心して使います。ここに落とし穴があります。
若い10~20代のころのような歯ではないのです。歯自身がカリエスなどで傷つき、頼りのエナメル質も歯髄もありません。歯が脆弱になっています。一見金属修復物やポーセレン修復物は強そうです。確かに修復物の素材自体は強靭かもしれません。歯本体が弱っています。弱った歯であることを忘れないでほしい。歯もいたわってほしいものです。
若いころのように固いものをバリバリ食べ、ブラキシズム(くいしばり、歯ぎしり)などがあると、弱って傷ついた歯はたまりません。耐えられないのです。その結果は歯冠修復物の脱離はもちろん、歯根部分の破折という悲しい結末が待っています。
ブラキシズムへの対応については、ご自身だけではどうにもならないところもあります。ご自身で対応可能な簡単なこと。それは歯をいたわって使うこと。固いものの噛み過ぎには注意ということです。 |
|
|