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歯が溶ける「酸蝕歯」

最近、歯周病のコントロールがうまくいっている患者さんの中で、歯の根の部分にカリエス様欠損が発生することを経験します。こういう欠損はたちが悪く、詰め物をしてもその下部にまたカリエス様欠損が発生したりします。単純な二次カリエス(う蝕の再発)のこともありますが、カリエスではないこともあります。

予防的にはフッ素入り歯磨き剤でのブラッシングでしょうが、患者さんとお話していてふと気づいたことがあります。患者さんは身体にいいと始めたことで、歯を駄目にしているという事実です。

それが酸蝕です。いわゆる“ロハスな生活”、健康や環境に関心の高い人のライフスタイルをさす言葉ですが、このような人たちは食習慣として、酢、柑橘類や野菜を好みます。生活習慣が歯にとって、有害になっているという事実があります。

砂糖など甘いものはカリエスリスクが高いということは、だいたいの国民の皆さんはご存知だと思いますが、健康によいと思っている柑橘類などが、食品の酸そのもので歯をダイレクトに溶かしているということをご存知ないのです。歯は酸によりおかされ歯が実質欠損を起こします。通常のカリエスと同じようになります。これを酸蝕症といいます。

歯科では酸蝕、咬耗、磨耗を総称して、TOOTH WEARといいます。WEARとは「擦り減る」という意味です。う蝕(カリエス)・歯周病に次ぐ第3の歯科疾患といわれ、注目されてきています。

体にいいと思って摂取している食品や飲料水が、実は歯を溶かしているという事実。この点気づかれていない方が多いです。歯の表面のエナメル質はPH5.5で溶け出します。炭酸飲料水、柑橘類、ワインなどの酒類(ジンを除く)、酢などはその食品自体がPH5.0以下で、摂取すればするほど歯は溶けているわけです。

食べ物飲み物でPHがかなり低いものがあります。代表的なものを列記します。
 コーラ2.14 スポーツドリンク3.35 黒酢3.18 100%オレンジジュース4.62
 ビール3.80 栄養ドリンク剤2.96 赤ワイン2.8 白ワイン3.4
などです。

カリエスでは細菌の産生する酸が問題ですが、食べ物や飲み物でも直接酸が歯に影響を及ぼすのです。この点を注意しないといくら歯を毎食後磨いてもカリエスリスクはあるということです。

対策としては
酸性飲食物の摂取後は水やお茶(特に緑茶)で口をすすぎ、すぐに歯を磨かない。すぐに歯を磨くと酸に侵された歯の表面を傷つける可能性大です。
歯の表面が酸に侵されているため、すぐに歯を磨かず唾液による修復を期待して摂取後30分までは歯を磨かない。
デンタルガムやフッ素入り歯みがき剤で歯質を強化する。
皆さんもお気をつけてください。ちなみにお茶のPH7.11 ヘルシア緑茶7.45精製水7.45ですので、やはり歯を磨いた後の飲み物はお茶などがいいですよ。

番町歯科クリニック
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