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よく咬める義歯
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歯の残存数が多い人は少ない人より医科の医療費が少ないというデータがあります。これは単純に歯の本数と医科での医療費が反比例しているということです。ただ、このデータでは歯を失っていても義歯などの補綴の代替で元の歯数に戻したらとどうなのか?という捉え方ではありません。
歯を失うと往々にしてオーラルフレイル(口の虚弱)に陥ります。このオーラルフレイル状態を放置していますと、全身的なフレイルになります。全身的なフレイルになると健康とはいえない状態になり元には戻らなくなります。ただオーラルフレイルのみの場合は元に戻すことも可能です。
多数の歯を失った後にする修復は通常義歯です。この義歯でしっかり咬むことが出来れば、オーラルフレイルに陥ることはありません。よく咬める総義歯を装着している方の舌圧を検査しますと、歯を失っている無歯顎にもかかわらず、有歯顎の方と同様の舌圧の数値が出てきます。舌が活発に活動していることは、咀嚼、発音、嚥下などの機能が維持されているということです。
日本人男女の平均寿命は世界のトップクラスです。ただ健康寿命と平均寿命との間にかなりの乖離があり、この期間が長ければ介護などが必要であるということになります。不幸にして歯を失っても、よく咬める義歯を装着していれば、オーラルフレイルに陥るのを未然に防ぎ、強いては健康寿命延伸に貢献することが出来ます。関係する家族にとっても介護をする期間が短くなることですので大いに助かることです。
歯を多数失っている方、ご自身のため、家族のためにもよく咬める義歯を作り持つことが大切です。 |
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